みなさん、こんにちは!
「監督が怒ってはいけない大会 ~サッカー in 八王子~」の吉武です。
本日のトピックは、スポーツと勉強の関係性についてです。
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スポーツを通じた子どもの成長を
考えるためのニュースレター #19
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気がつけば、もう3月。
年度の終わりが近づき、進級や卒業の準備に忙しくなる時期ですね。
受験シーズンも一区切りし、ほっと一息ついているご家庭も多いのではないでしょうか。
一方で、来年受験を控えるご家庭では、「そろそろ本格的に勉強に集中しなければ」と気持ちが引き締まる頃かもしれません。
そんな中で、多くのご家庭が頭を悩ませるのが、スポーツと勉強のバランスです。
小学生では、6年生になると受験勉強に専念するためにスポーツをやめてしまう子が少なくありません。
中高生も、3年生の1学期には部活動を引退し、受験勉強に集中するのが一般的です。
確かに、多くのご家庭では、学業がスポーツよりも優先されるでしょう。
しかし、スポーツは本当に勉強の妨げになるものなのでしょうか?

実は、適度なスポーツは、学習の効率を向上させることが科学的に証明されています。
2011年、科学学術誌「サイエンス」に発表された研究では、定期的な運動は脳の高次機能を活性化し、学習能力を向上させることが示されました。
「高次脳機能」とは、記憶力や計算力にとどまらず、思考力・判断力・創造性・問題解決能力など、より高度な認知機能を指します。
たとえば、複雑な文章を読み解いたり、計画を立てたりする能力もこれに含まれます。
また、脳科学の研究では、有酸素運動で活性化する脳の部位は、勉強中に活発に働く部位と同じであることが明らかになっています。
つまり、運動は脳を活性化し、学習に適した状態を作り出すというわけです。
特に、20~30分の軽い有酸素運動は、記憶力や認知能力に有効とされ、問題解決能力が約10%向上したという研究もあるのです。
有酸素運動とは、酸素を使って筋肉を動かす運動のことで、走る・歩く・泳ぐなどがこれに含まれます。
逆に、無酸素運動は、短い時間で大きな力を発揮する強度の高い運動のことで、筋トレがこれに当たります。
つまり、ほとんどのスポーツには有酸素運動の要素が含まれています。
このように、運動は単に体を鍛えるだけでなく、脳を活性化し、学習効果を高めるわけです。

また、当然ながら、運動は体力の向上にもつながります。
より深い思考のために「高次脳機能」を活用すると、より多くのエネルギーを消費します。
つまり、質の高い学習には体力が必要であり、体力がつけば、勉強に取り組める時間が増え、集中力も持続しやすくなるということですね。
スポーツが勉強の妨げになるケースは、長時間の運動で疲れてしまい、勉強時間が減ったり、集中力が落ちたりする場合でしょう。
確かに、3時間を超えて続く練習は散見されますよね。
活動スペースと人数の関係、競技の特性にもよりますが、メニューを工夫し、2時間以内に収めるようにしたいところです。
また、体力という点では、十分な睡眠や休息と栄養の確保が欠かせません。
バランスの取れた生活が、勉強とスポーツの両立を可能にするのです。
スポーツと勉強は、どちらかを選ぶというよりは、互いに支え合うもの。
こんな視点を持つことで、より充実した学校生活を送れるのではないでしょうか。