「ダブル・ゴール」とは
リーグの理念のご紹介
「ダブル・ゴール・コーチング」とは

「ダブル・ゴール・コーチング」は、アメリカのNPO法人「Positive Coaching Alliance」(以下PCA)が提唱する、ユーススポーツにおけるコーチングメソッドです。
『試合に勝つこと』と『人間的成長』の両方を追い求めることから、「ダブル・ゴール」と呼ばれます。

どのような内容?
スポーツ心理学に基づいた、科学的なアプローチを特徴としています。
勝利至上主義を否定し、目先の試合の結果よりもそこへ向かう努力を評価し、失敗をしても良いこと、そこから何を学ぶかを重視します。
指導方法についても、むやみに怒鳴りつけるのではなく、選手のモチベーションを引き出すことを重視し、その方が勝利にもより近づけるとしています。

どれくらい知られている?
スポーツ大国アメリカでは「ポジティブ・コーチング」の代表的なアプローチとして広く普及しています。
この考え方は、1998年にスタンフォード大学から始まり、現在では幼児から大学生までのユーススポーツ全般に大きな影響を与えています。
ダブル・ゴール・コーチングを提唱するPCAは全米サッカー連盟(USSF)をはじめ、大谷翔平や八村塁の活躍で湧くMLBやNBAともパートナーシップを結び、プログラムを提供しています。
日本では、NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブが普及活動を行っており、当リーグとも協力関係にあります。
なぜ「ダブル・ゴール・コーチング」なのか?
スポーツは本来楽しいものであり、子どもたちを人間的に成長させ、未来を明るく照らす力があります。
しかしながら、日本のユーススポーツには依然として勝利至上主義が根強く残り、指導者による言葉の暴力やハラスメントは後を絶ちません。
当リーグでは、この「ダブル・ゴール・コーチング」を理念の中心に置くことで、より多くの子どもたちにスポーツの持つ本来の楽しさとすばらしさを提供し、人間的成長を後押ししていきたいと考えています。
3つのキーワード

真の勝者になるための “ELM”
勝利至上主義を脱し、試合で勝つだけでなく、以下の「ELM」を重視し長期的な視点からの「人間」としての勝者を目指します。
1)EFFORT:試合の勝ち負けも大事だけれど、それに向けてどれだけ努力できたかがもっと大事!
2)LEARNING:スコアや他者との比較より、どれだけ改善し、失敗から学んだかがもっと大事!
3)MISTAKES:失敗を恐れずにチャレンジしよう! 失敗は成長のために必要なステップ!

“E-TANK” を満たす

「エモーショナル・タンク(E-Tank / 感情タンク)」は、誰もの心の中にあるモチベーションのバロメーター。スポーツ心理学ではこれが満たされた選手ほど、よりよいパフォーマンスを発揮するとされます。
1)このタンクを満たすため、コーチは怒鳴ったり叱ったりするよりも、ポジティブなフィードバックで選手の意欲を引き出そう!
2)チームメイト同士のポジティブな声がけや関係性でもタンクは満たされる。選手たちにもこの考えを伝えよう!
競技に敬意を払う “ROOTS”
次の5つはスポーツの試合の重要な構成要素。
ひとつでも欠けると、そのスポーツを楽しめなくなってしまいます。
これらを尊重し、コーチや保護者も規範を見せることで選手・子どもたちのスポーツマンシップや社会性を育みます。
– Rule(ルール)
– Opponents(対戦相手)
– Officials(審判)
– Teammate(チームメイト)
– Self(自分自身)
* “Self” は自尊心や自分の良心を指します。相手がリスペクトを欠く態度でも自分たちは敬意を払えるか、悪質なファールをするよう指示されても断れるかなどが当てはまります。

アメリカでの広がり

PCAは「ダブル・ゴール・コーチング」を提唱し、1998年の設立以来、ワークショップなどの各種プログラムを多くの指導者・保護者・選手・競技団体へ提供し、ユーススポーツの改革と発展に貢献してきました。
「ダブル・ゴール・リーグ」での取り組み

当リーグでは、特別ルールを取り入れることで、「ダブル・ゴール」を実践しています。
チーム全員に同等の出場時間
当リーグでは「毎試合、全選手に同等のプレーイングタイムが与えられること」をルールとしています。 *ケガや体調不良といった特殊なケースは除きます。
試合に勝つことはもちろん大事ですが、「スポーツを楽しむ機会」や「試合に出場して成長する機会」が全員に与えられることの方がより重要という考えに基づいています。
これは全チームに平等に与えられた共通のルール。
その上でどう勝つかをチームみんなで考えてみてください!
“ELM” の考え方を反映しています

選手のE-TANKを満たそう!

当リーグでは、体罰はもちろんのこと、指導者・保護者による選手への侮辱的な言葉遣いを禁止しています。
これは、選手たちのエモーショナル・タンク(E-TANK)を満たし、より大きな幸福感と成長を引き出したいと考えているからです。
大声での指示は問題ないですし、盛大な応援は大歓迎ですが、是非とも選手たちが楽しく積極的になれるようなポジティブな声がけをお願いします!
また、選手たちにもこの考え方を伝え、選手同士でもE-Tankを満たすことができることを教えてあげてください。
“E-TANK” 考え方を反映しています
試合後のアフター・マッチ・ファンクション
当リーグでは、試合後に選手全員でミーティングを行います。
「あのシュートはすごかった!」「あの時は、どんな作戦だった?」と対戦相手の選手と話をすることで、一緒にサッカーを楽しみ、ゲームをつくっていく仲間として、リスペクトの気持ちが生まれることを狙いとしています。
また、初めて会う人と話をすることで、コミュニケーション能力や考える力のレベルアップや、そしてより良いサッカー・コミュニティが創られていくことにも期待しています。
“ROOTS” の考え方を反映しています
